
| この記事のポイント(要約) 寝屋川市は「4年間で市内全小学校に飲料用の井戸を掘る」方針を広報ねやがわ令和8年4月号で発表しました。目標は供給量1日115万リットル。市民全員に1人1日5リットルの水を確保できる計算です。給水車が来られない事態に備え、避難所となる小学校で「水・トイレ・電気」を自立して確保する考え方です。耐震性貯水槽やあんしん給水栓など、市内の給水拠点は市ホームページで事前に確認できます。公助に頼り切らず、家庭では最低3日分、できれば1週間分の水・食料・トイレ凝固剤の備蓄が大切です。 |
「寝屋川市の防災対策って、実際どうなっているの?」「寝屋川の小学校に井戸ができるって本当?」――そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。2026年(令和8年)4月発行の「広報ねやがわ」で、寝屋川市は市内すべての小学校に飲料用の井戸を整備する方針を打ち出しました。災害時の断水は、命と暮らしに直結する大きな問題です。
この記事では、寝屋川市の防災の取り組みの中でも注目度の高い「小学校の飲料用井戸」について、広報ねやがわで紹介された概要をわかりやすく整理します。あわせて、災害時の給水拠点の確認方法、家庭でできる備蓄のコツ、そして「防災に強いまち・寝屋川」の魅力まで、寝屋川市にお住まいの方やこれから移住を考えている方に役立つ情報をまとめました。
1. 広報ねやがわで紹介された「小学校に飲料用井戸」の取り組み概要
「4年間で市内全小学校に飲料用の井戸を掘ります」
広報ねやがわ令和8年4月号の特集「寝屋川市のイメージを変えろ!!ブランディング戦略!!」では、令和8年度の市政運営方針の主な取り組みのひとつとして、「4年間で市内全小学校に飲料用の井戸を掘ります」という方針が紹介されました。担当は寝屋川市危機管理部門の防災課です。
寝屋川市内には市立小学校が23校あり、小中一貫校を含むすべての市立小学校が「緊急避難場所」兼「指定避難所」に指定されています。つまり、大規模災害時に多くの市民が身を寄せる場所そのものに、飲み水の水源を確保しようという取り組みです。
なぜ今、小学校に井戸が必要なのか
広報ねやがわでは、井戸整備の背景として過去の大震災の教訓が挙げられています。平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震、そして令和6年の能登半島地震では、被災直後に水が不足し、応援の給水車だけでは十分な支援が行えなかったり、そもそも給水車が届かなかったりする状況が確認されました。
道路の寸断や渋滞、広域災害による応援車両の不足など、給水車に頼る仕組みには限界があります。特に、南海トラフ巨大地震のように西日本一帯が同時に被災するケースでは、外部からの支援が届くまでに時間がかかる可能性があります。そこで寝屋川市は「給水車が来なかった時でも市民の命を守る」ため、地域の中に自前の水源を持つという発想に踏み出しました。
目標は1日115万リットル、1人1日5リットル
広報ねやがわによると、災害対策用の井戸による供給量は1日115万リットル。これは、市民全員に1人1日5リットルの水を確保できる規模とされています。寝屋川市の人口は約22万人ですから、単純計算で全市民分をまかなえる水量です。
一般に、災害時に必要な飲料水は1人1日3リットルが目安とされています。1人1日5リットルという目標は、飲み水に加えて調理や最低限の衛生にも使える量を見込んだものといえるでしょう。
「水・トイレ・電気」をセットで備える避難所づくり
今回の井戸整備は、単独の施策ではありません。広報ねやがわでは、避難所で生きるために必要な「水」「トイレ」「電気」をそろえる考え方が示されています。
- 電気:停電時でも動くエアコンを市立小・中学校に導入済み。夏の猛暑や冬の寒さの中でも、避難所の環境を保ちやすくなります。
- トイレ:断水時でもトイレ凝固剤で排泄物を固めて衛生的に処理できる仕組みを、地域ごとに訓練しています。
- 水:今回の飲料用井戸の整備で、給水車に頼らない水源を確保します。
このように、寝屋川市の防災は「避難所に行けば最低限の生活が維持できる」状態を目指して段階的に整備が進められています。
既存の「防災井戸」「災害時協力井戸」との違い
寝屋川市の井戸による防災対策は、今回が初めてではありません。平成29年度には、市域西側の小学校10校(北小、桜小、点野小、池田小、田井小、木屋小、神田小、和光小、成美小、啓明小)に防災井戸を設置しています。これは避難所の衛生面の課題や断水による水不足に対応するためのもので、平常時は子どもの学習や花壇の散水にも活用されています。
また、市内には大阪府に登録された「災害時協力井戸」もあり、令和8年3月末時点で寝屋川市内の登録数は21か所です。ただし、災害時協力井戸は洗濯やトイレなどの生活用水を近隣に提供するためのもので、飲み水としての提供は想定されていません。
今回の取り組みの大きなポイントは、「飲料用」の井戸を「全小学校」に整備するという点です。生活用水だけでなく、命に直結する飲み水を地域で確保できるようになることは、寝屋川市の防災力を大きく底上げするものといえます。なお、具体的な設置スケジュールや設置順、水質管理の方法などの詳細は、今後市から発表される情報や防災課(072-825-2194)で確認するようにしましょう。
井戸水を「飲み水」にするために大切なこと
一般に、井戸水を飲料水として使うには、定期的な水質検査や、必要に応じたろ過・消毒などの管理が欠かせません。他の自治体では、学校の災害用井戸の一部が水質基準を満たさず、生活用水に限って使われている例もあります。だからこそ、最初から「飲料用」として計画的に整備する寝屋川市の方針には大きな意味があります。
また、井戸は災害時だけ使うのではなく、平常時から点検や試運転を重ねておくことで、いざというときに確実に機能します。防災井戸を子どもの学習や花壇の散水に活用している既存の取り組みのように、新しい飲料用井戸も日常の中で地域に親しまれる存在になれば、防災意識の向上にもつながるでしょう。
| 種類 | 主な用途 | 設置場所・数 |
| 飲料用井戸(整備予定) | 飲料水(1日115万L目標) | 市内全小学校(4年間で整備) |
| 防災井戸(平成29年度) | 避難所の衛生・断水時の水不足対応 | 市域西側の小学校10校 |
| 災害時協力井戸 | 生活用水(飲用不可) | 市内21か所(府登録・令和8年3月末) |
2. 災害時の給水拠点の確認方法
小学校の飲料用井戸は4年間かけて整備される計画です。完成までの間はもちろん、完成後も、災害時に水を受け取れる場所を複数知っておくことが大切です。ここでは、寝屋川市の給水体制と給水拠点の確認方法を紹介します。
寝屋川市の給水体制(現在の主な備え)
寝屋川市上下水道局では、災害発生直後の飲料水確保のために次のような対策を進めています。
- 配水池・配水場(8か所)の耐震化:平成30年度末に施設耐震化率100%を達成
- 市内小中学校への耐震性貯水槽の整備(7か所)
- 大阪広域水道企業団の「あんしん給水栓」(18か所)
- 近隣6市との相互連絡管の整備(12か所)
- 避難所となる小中学校向けのウォーターバルーン(10基)や給水コンテナ(19基)、災害用備蓄水
このほか、指定避難所は市内54か所あり、そのうち小中学校34か所にはアルファ化米などの備蓄食料や毛布が準備されています。大阪府の備蓄と合わせて、約4万人の避難者が救援物資が届くまでの3日間をしのげる体制です。小中学校34校とコミュニティセンター6か所ではペット同行避難も可能です。
給水拠点を確認する4つのステップ
- ステップ1:寝屋川市ホームページの「災害時における給水場所について」のページで、配水池・配水場、耐震性貯水槽、あんしん給水栓などの応急給水拠点の一覧を確認する。
- ステップ2:自宅・勤務先・子どもの学校それぞれから一番近い給水拠点と指定避難所を地図で調べ、メモや家族のスマートフォンに保存しておく。
- ステップ3:休日などに実際に歩いてルートを確認する。ブロック塀や狭い道、浸水しやすい場所など、災害時に通りにくい箇所もチェックしましょう。
- ステップ4:家族で「どの給水拠点に、誰が、何を持って行くか」を話し合っておく。水を運ぶポリタンクや給水袋、台車なども準備しておくと安心です。
あわせて、寝屋川市のハザードマップで自宅周辺の浸水想定や土砂災害の危険度を確認しておきましょう。寝屋川市は淀川や寝屋川などの河川に近く、地震だけでなく水害への備えも欠かせません。市内には浸水対策として、小学校区単位で24か所の土のうステーションも設置されています。
災害時の情報収集手段も今のうちに準備を
給水拠点の場所を知っていても、「いつ、どこで給水が始まるのか」という情報が入らなければ動けません。災害時の給水情報や避難所の開設状況は、寝屋川市ホームページや市の公式SNS、メール配信サービス「メールねやがわ」などで発信されます。スマートフォンの電池切れや通信障害に備えて、携帯ラジオや乾電池式の充電器も準備しておきましょう。
また、近所の方や自治会とのつながりも重要な情報源になります。日頃からあいさつを交わし、地域の防災訓練に参加しておくことで、災害時に「どこで水がもらえるか」「誰が困っているか」といった情報を共有しやすくなります。特に高齢の方や小さな子どもがいる家庭では、給水拠点まで水を運ぶのが難しい場合もあるため、ご近所どうしで助け合える関係づくりが大きな支えになります。
| 給水拠点に水をもらいに行くときの持ち物 ふた付きのポリタンク(10〜20リットル程度、運べる重さを考えて)折りたたみ式の給水袋(リュック型だと両手が空いて便利)台車やキャリーカート(10リットルの水は約10kgあります)油性ペンとガムテープ(容器に名前や日付を書くため) |
3. 家庭でできる備蓄:「公助」を待つ間を「自助」で乗り切る
どれだけ市の防災対策が充実しても、大規模災害の直後は行政の支援がすぐに行き届かないことがあります。寝屋川市の防災の取り組みを最大限に生かすためにも、まずは各家庭での備え(自助)が基本です。自宅が無事なら避難所に行かずに自宅で過ごす「在宅避難」も選択肢になります。
水の備蓄:1人1日3リットル×最低3日、できれば1週間
飲料水の備蓄目安は1人1日3リットルです。最低3日分、南海トラフ巨大地震のような広域災害に備えるなら1週間分を用意しておくと安心です。
| 家族の人数 | 3日分 | 7日分 |
| 1人 | 9リットル | 21リットル |
| 2人 | 18リットル | 42リットル |
| 3人 | 27リットル | 63リットル |
| 4人 | 36リットル | 84リットル |
2リットルのペットボトル6本入りの箱(12リットル)で換算すると、4人家族の1週間分はおよそ7箱です。保管場所に困る場合は、普段から多めに買って使った分を買い足す「ローリングストック」がおすすめです。また、トイレや手洗いに使う生活用水として、浴槽に水をためておく習慣も役立ちます。
トイレの備蓄:見落としがちな「トイレ凝固剤」
災害時に最も困ることのひとつが、断水や配管の破損によるトイレの使用不能です。広報ねやがわの「防災豆知識」でも、各家庭でトイレ凝固剤を備蓄するよう呼びかけています。備蓄量の目安は次のとおりです。
| トイレ凝固剤の備蓄量の目安(広報ねやがわより) 1人分(1日5回)× 家族の人数 × 使用期間(3日〜1週間)例:4人家族で1週間なら、5回×4人×7日=140回分トイレットペーパー、ゴミ袋、消臭剤、清掃用品もあわせて備えましょう |
トイレの備えは、水や食料と同じくらい命に直結します。トイレを我慢して水分を控えると、脱水やエコノミークラス症候群などの健康被害につながるおそれがあるためです。
限られた水を上手に使う工夫
断水中は、水の使い道に優先順位をつけることが大切です。まずは飲み水と調理用の水を確保し、手洗いや食器洗いには節水の工夫を取り入れましょう。たとえば、食器にラップや紙皿を使えば洗い物を減らせますし、ウェットティッシュや手指消毒液があれば手洗いの水を節約できます。
- 飲用・調理:ペットボトルの備蓄水や給水拠点でもらった水を優先して使う
- 衛生:ウェットティッシュ、ドライシャンプー、からだふきシートを活用する
- トイレ:凝固剤や携帯トイレを使い、浴槽の水はバケツで流す用途などに回す
- 食器:ラップを敷いた紙皿で洗い物をゼロに近づける
食料・日用品のチェックリスト
- 主食:アルファ化米、パックご飯、乾麺、カップ麺など
- おかず:レトルト食品、缶詰(魚・肉・豆)、フリーズドライの汁物
- 栄養補助:栄養補助食品、ドライフルーツ、ナッツ、お菓子
- 熱源:カセットコンロとガスボンベ(1週間で約12本が目安)
- 衛生用品:ウェットティッシュ、マスク、歯ブラシ、生理用品、おむつ
- 情報・電源:モバイルバッテリー、乾電池、懐中電灯、携帯ラジオ
- その他:常備薬、お薬手帳のコピー、眼鏡、現金(小銭)、ラップ、紙皿
乳幼児や高齢者、持病のある方、ペットがいるご家庭は、ミルクや介護食、薬、ペットフードなど、家族に合わせた備えも忘れずに準備しましょう。
備蓄を続けるコツ
備蓄は「一度そろえたら終わり」ではありません。年に1〜2回、たとえば防災週間の9月や、阪神・淡路大震災のあった1月など日を決めて、賞味期限や使用期限を家族で点検するのがおすすめです。普段の食事で備蓄品を食べてみることで、いざというときにも食べ慣れた味で安心できます。
4. 防災に強いまち・寝屋川市の魅力
寝屋川市は大阪市内まで電車で約12分、京都にも約35分でアクセスできる人口約22万人の中核市です。便利な立地に加えて、近年は「防災に強いまち」としての取り組みも注目されています。
市民ぐるみの防災訓練と地域の力
寝屋川市では、大規模災害時の避難所運営を、各小学校区単位で組織された地域協働協議会が担うことを想定しています。市職員も被災する可能性がある中で、地域の住民どうしが助け合う「共助」の仕組みづくりが進んでいるのです。広報ねやがわでも、市民大訓練に8,000人を超える市民が一斉に参加したことが紹介されています。
学校を「地域の防災拠点」に
小学校の飲料用井戸に加え、停電時でも動くエアコンの導入、トイレ凝固剤を使った訓練、耐震性貯水槽や給水コンテナの配備など、寝屋川市は学校を地域の防災拠点として強化しています。さらに令和8年度からは、市のクリーンセンターでごみ焼却により発電した電気を全市立小・中学校や市役所に配電する取り組みも始まっています。
子育て世帯にとっての安心感
子育て世帯にとって、子どもが毎日通う小学校が「災害に強い拠点」であることは大きな安心材料です。授業中に災害が起きても、学校に水・電気・トイレの備えがあれば、保護者が迎えに行くまでの間も子どもたちの安全を守りやすくなります。家庭でも、学校の井戸や避難所の話題をきっかけに、親子で防災について話し合ってみてはいかがでしょうか。「災害が起きたらどこで待ち合わせるか」「家族と連絡が取れないときはどうするか」を決めておくだけでも、いざというときの行動が大きく変わります。
健全な財政が支える「選ばれるまち」
こうした防災投資を支えているのが、寝屋川市の財政の健全さです。広報ねやがわによると、財政の余裕度を示す経常収支比率は3年連続で大阪府内33市中第1位。令和7年には822人の転入超過となり、53年ぶりの最多を記録しました。子育て・教育施策に加え、「災害に強い」ことも、寝屋川市が選ばれる理由のひとつになりつつあります。
5. よくある質問(FAQ)
Q. 寝屋川市の小学校の飲料用井戸はいつ完成しますか?
A. 広報ねやがわ令和8年4月号では「4年間で市内全小学校に飲料用の井戸を掘る」と紹介されています。各校の具体的な設置時期は、市の今後の発表や防災課(072-825-2194)で確認してください。
Q. 井戸の水は1日どのくらい供給できますか?
A. 供給量は1日115万リットルとされており、市民全員に1人1日5リットルの水を確保できる規模です。
Q. 近所の「災害時協力井戸」の水は飲めますか?
A. 災害時協力井戸は洗濯やトイレなどの生活用水を提供するための井戸で、飲料水としての提供は想定されていません。飲み水は備蓄水や給水拠点で確保しましょう。
Q. 寝屋川市の給水拠点はどこで確認できますか?
A. 寝屋川市ホームページの「災害時における給水場所について」で、配水池・配水場や耐震性貯水槽、あんしん給水栓などの応急給水拠点を確認できます。
Q. 寝屋川市の避難所ではペットと一緒に避難できますか?
A. 市内の小中学校34校とコミュニティセンター6か所は、ペット同行避難が可能とされています。ケージやフード、トイレ用品は飼い主が用意しておきましょう。
Q. トイレ凝固剤はどのくらい用意すればよいですか?
A. 広報ねやがわでは「1人分(1日5回)×家族の人数×使用期間(3日〜1週間)」が目安とされています。4人家族で1週間なら140回分です。
Q. 家庭では何日分の水を備蓄すればよいですか?
A. 1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分を備蓄するのがおすすめです。4人家族なら1週間で84リットルになります。
まとめ:市の「公助」と家庭の「自助」、地域の「共助」で寝屋川の防災力を高めよう
寝屋川市が進める「小学校に飲料用井戸」の取り組みは、過去の大震災で浮き彫りになった「給水車が来ない」という課題に正面から向き合うものです。4年間で市内全小学校に井戸を整備し、1日115万リットル、市民1人1日5リットルの水を確保するという目標は、全国的に見ても意欲的な防災対策といえるでしょう。
一方で、災害時に本当に命を守るのは、市の備えと家庭の備え、そして地域のつながりの組み合わせです。この機会に、最寄りの給水拠点と避難所を確認し、家族の人数に合わせて水・食料・トイレ凝固剤の備蓄を見直してみてください。寝屋川市の防災情報は、広報ねやがわや市ホームページで随時発信されています。最新の情報をチェックしながら、「防災に強いまち・寝屋川」を一緒につくっていきましょう。
参考:広報ねやがわ 令和8年4月号(寝屋川市)
参考:寝屋川市「災害時における給水場所について」「あんしん給水栓・防災井戸を整備しました」「避難所について」「災害時協力井戸について」
参考:大阪府「災害時協力井戸の登録状況」(令和8年3月31日現在)
※本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに作成しています。最新情報は寝屋川市防災課(072-825-2194)等でご確認ください。
